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 テクモTeam Ninja 板垣伴信氏へのインタビュー(2004年5月27日)
 
まずはNINJA GAIDENについてお聞きしたいと思います。
板垣さんご自身にとってNINJA GAIDENはどれほど重要ですか?
ゲームディレクターとしてゲームが完成したときはどんなお気持ちでしたか?
もちろん私にとってもっとも大事なプロジェクトです。海軍にたとえるなら、Dead or Aliveが太平洋艦隊で、NINJA GAIDENが大西洋艦隊です。

Edge magazineでは、NINJA GAIDENの難易度はアクションが苦手なプレイヤーを縛る「デザイン上の欠陥」であり、ハードコアユーザ向けのものではないとレビューされています。
このレビューは印象に残ったのですが、どう思われますか?
もちろん(難易度は)意図的なものです。NINJA GAIDENのテスターはちょっと変わった人間でした。
はじめはもう少し簡単だったんですが、テスターが「このゲームは難しすぎる」と言ったので、もっと難しくしてやりました(笑)。

ではレビューの評価と反して、板垣さんはNINJA GAIDENがハードコアユーザ向けの作品だと考えているのですね?
その通りです。

NINJA GAIDENにとって音楽は重要ですか?
多くのステージで、音楽がかなり雰囲気に影響を与えているように感じられました。各ステージの音楽はどのように生まれたのでしょう?
私個人は音楽にはタッチしていません。ただ、プレイヤーは1つのチャプターを、ときには10時間といった長い間プレイします。音楽が強すぎればプレイヤーは飽きてしまいます。ですからプレイヤーの気にならないように、あくまでBGMであることを心がけました。
一方で、DOAは進行が迅速です。プレイ時間が15秒といったこともありますから、音楽の存在感を与えるため、NINJA GAIDENより激しくなっています。

忍者をテーマにしたゲームはほかにもありますが、NINJA GAIDENで描かれている忍者像は正確にはどんなものでしょう?
日本人でないと忍者がどんなものであるのか理解するのは難しいでしょう。ただ、一口に忍者といってもさまざまなタイプがあります。
私が考えた忍者は隠密性の高い忍者ではありません。物陰に隠れて誰にも姿を見られず、こっそりと相手を殺す暗殺者ではないのです。
立ちふさがる敵は皆殺しにしてしまう、そんな忍者を考えました。
子供たちが忍者にあこがれることがあると思いますが、そのときに考えるのは物陰に隠れることではありません。戦闘シーンや刀の持ち方がかっこいいと考えます。
そこでそういった面をより強調したかったのです。

EGMのインタビューでNINJA GAIDEN 2の制作について語っておられました。まだ時期尚早だとは思いますが、どういったものになるのですか?
基本的なコンセプトの変更はありません。NINJA GAIDENにあったものは2にもあります。あとはいくつかの要素や新武器などが加えられます。

NINJA GAIDEN 2の発売時期はいつになるでしょう?
Dead or Alive 4の後になります。

では次にDead or Alive Ultimateについてお伺いします。
バーチャファイターや鉄拳、ソウルキャリバーといった3D格闘ゲームより先にオンライン化を実現しましたが、どのようなお気持ちでしょうか?
またほかのゲームはなぜオンライン化されていないのでしょう?
セガとナムコはアーケードゲームが売上げの大きな部分を占めています。おそらくほかの分野へ振り向けるリソースはそれほどないはずです。
コンシューマバージョンにオンライン機能が採用されれば、ユーザはアーケードを遊ばなくなってしまうでしょう。

DOA3のアーケード版が出なかったように、テクモはアーケードにもう進出しないということですか?
そうです。我々にはそれほど時間の余裕がありません。アーケード版もスケジュールに含めるとすべてが遅れてしまいますから、アーケード版を出す予定はありません。
ナムコやセガがそうしないのは、私が言ったような財政的な理由です。しかし我々が出さないのは財政的な理由ではまったくなく、より技術的な問題です。

PING時間は、1/60秒というゲームプレイのタイミングに影響を及ぼしますか?
潜在的な問題はあるのでしょうか?
PING時間を気にするようでは良いデベロッパーとはいえませんし、テクノロジーを理解していない証拠です(笑)。
こんな話があります。
数週間前にスタッフの誰かがオフィスでテストしているところに記者がやってきたのですが、記者はゲームに満足して、オンラインなのかオフラインなのか指摘できませんでした。
ラグはまったくなく、記者はローカルリンクだと考えたのですが、実際はオンラインだったのです。

それはすごいですね。
ではDead or Alive Code Cronusですが、日本のメディアで格闘でもバレーボールでもスポーツでもないと答えていました。Code Cronusについて教えてもらえますか?
スケジュール面では、私が現在取り掛かっているほかのタイトルよりずっと後になります。おそらくDOA4とNINJA GAIDEN 2の後になるでしょう。

では大型プロジェクトですね?
そうです。とても大掛かりなものです。

アドベンチャーかRPGのようなものですか?
ええ。DOAXは趣味のプロジェクトでしたが、Code Cronusも財政的な動機などからはじまったものではありません。個人的なプロジェクトです。

デベロッパーとして、またパブリッシャーとしてマイクロソフトと緊密な関係を保っていますが、ソニーのPSPや任天堂のDSといったプラットフォームでも開発してみたいと思いますか?
そう思いますし、そうするつもりです。

板垣さんは日本のゲーム業界の中で傑出した人物ですが、同じように卓越した人物である小島秀雄氏がEdgeマガジンで、「日本のゲームメディアはどれもひどいものだ」と酷評し、ファミ通のような雑誌は意味がないと発言しています。
この発言についてどう思われますか?
ほとんどのゲーム開発者は自分のゲームをメディアにレビューしてもらい、何を書かれてもそのままにしています。しかし小島氏や私のような人間は、彼らのレビューをレビューするのです。
私たちのメディアへの接し方はほかの人とは違っています。メディアは自分たちがほしいものを取り上げるばかりで、小島氏が言いたかったのはそこでしょう。
かすみを表紙にした雑誌が多すぎます。おそらく日本の雑誌の1割がかすみを表紙に載せています。

Xboxのグラフィック面でTeam Ninjaを最高のデベロッパーたらしめるのは何でしょう?
高いビジュアルクオリティを保つ秘訣は何でしょう?
たぶんほかとの違いは、自分たちのゲームを「テレビゲーム」だと考えていることです。つまりグラフィックとサウンドを利用したメディアであるということです。
そのような単純なコンセプトや哲学ですべてに接すれば、我々のゲームのようなクオリティになるのでしょう。ゲームプレイを追及するだけでなく、テレビというメディアを利用するのですから、ビジュアルやサウンドも極めなければいけません。
かつて、サウンドだけでビジュアルをまったく伴わないゲームを出したワープという会社がありましたが、まったくのナンセンスですね(笑)。


ありがとうございました
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