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XNEWSゲームレビュー オペレーション・ダークネス
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オカルトナチスとの戦いを描いたシミュレーションRPG
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近現代の国家でナチスドイツほどオカルト絡みでエンターテイメントの題材として取り上げられる国はほかにないでしょう。ナチスの副総統だったルドルフ・ヘスがオカルトに傾倒していたといった事実も関係しているのでしょうが、映画ではインディジョーンズシリーズやヘルボーイ、マンガではヘルシング、ゲームではReturn to Castle Wolfenstein等々、さまざまなエンターテイメント作品でオカルトナチスが登場します。
オペレーション・ダークネスも第2次世界大戦のヨーロッパ戦線を舞台に、イギリス陸軍特殊部隊SASの中でもさらに特殊な任務をこなすK中隊に所属する主人公らが、吸血鬼やゾンビといった超自然的存在が跋扈するオカルトナチスと戦うシミュレーションRPGです。
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史実とフィクションが融合したストーリー
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といってもゲームのすべてがオカルトやファンタジーに彩られているわけではありません。むしろオカルトと同じかそれ以上の割合で、リアリティが追及されています。
Thompson M1やMP40、IV号戦車など、登場する武器や兵器は実在のものばかりですし、アフリカ戦線やノルマンディ上陸、バルジの戦い、ベルリン市街戦など史実に則ってストーリーが進行していきます。
またステージ開始前にはコールオブデューティシリーズのように当時の映像を交えてステージに関連した史実が解説され、シナリオパートにヒトラーやロンメル、デビッド・スターリング実在の人物が登場するなど、大きな歴史の流れの中で主人公たちも戦っているのだという雰囲気を盛り上げてくれます。
実際、ゲーム序盤はオカルトやファンタジー色は皆無で、少数精鋭の主人公たちがドイツ軍と対峙。特殊部隊のSASらしく、ナチスによる原爆開発の阻止やノルマンディ上陸作戦(オーバーロード作戦)の情報漏洩阻止といった歴史の裏側で起こりえたかもしれないミッションをこなしていきます。その中で徐々に現実には起こり得ない超自然的な要素が入り込んでいきます。
プレイ前ははじめから魑魅魍魎が跋扈する世界観だと思いこんでいたため、リアルできちんとした考証に良い意味で期待を裏切られる形でした。プレイヤーもよく知っている世界に、よく知らない裏側の世界が忍び込んでくるというのは、ゲームに没入する上で良い手法でしょう。
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ゲームシステムを特徴づけるカバーと特殊攻撃
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肝心のゲームシステムは、敵と戦う戦闘パートとストーリーを進めるシナリオパートに分かれています。
戦闘ステージはメインストーリーだけで27ステージ、サブシナリオや隠しステージも含めると全62ステージと、ゲームボリュームは申し分ありません。1ステージのプレイ時間は(ゲームオーバーでやり直さない限り)20〜40分程度で、一気にプレイすることもできますし、1日1ステージずつ攻略するなどじっくり遊ぶこともできます。
戦闘パートはセミリアルタイムシステムが採用されていて、キャラクターは素早さのパラメータ順に行動、各キャラクターの行動決定には時間の制限がなくじっくり考えられます(ブルードラゴンなど最近のRPGでも多く採用されているシステムです)。
敵味方の行動順がはっきり分かれているターン制のように間延びせず、RTSのようにせわしない操作が強いられることもなく、じっくりプレイすることができます。
戦闘での行動は大きく分けて「攻撃」、「移動」、「アイテム使用」、「カバー」、「特種攻撃(SPアタック)」の5つで、マス目で区切られたマップを移動して射程内の敵を攻撃するというのが基本になります。
シミュレーションRPGの中には敵味方の移動可能範囲や攻撃可能範囲を1マス単位で緻密に計算して行動するというタイプがありますが、本作では敵の移動範囲や攻撃可能範囲が明確にわからないこともあって緻密に計算しながらじっくり進めていくというより、大まかにユニットを動かしていくというプレイスタイルになります。
といっても適当に動かしていれば勝てるという意味ではありません。第2次世界大戦が舞台で銃器がメインになるため、攻撃範囲はかなり広範です。このため不用意に突出するとたちまち敵の集中砲火を浴びて蜂の巣にされてしまいます。
敵味方の行動順はつねに確認できるので、敵の射程範囲に入らない程度まで移動した後は、複数の味方ユニットの行動が連続するタイミングを見つけて接敵し、反撃の隙を与えないうちに一気に倒すことがポイントになります。また障害物がある場合など相手が射界に入っていないと攻撃できないので、遮蔽物をうまく利用してあまり身をさらさないように移動すれば被弾する確率も減ります。
特に戦車など敵車輌の攻撃は強力で一撃で即死してしまう場合もあるので(ただし理不尽な即死は起こらないよう救済措置は用意されています)、建物の陰を利用して近づいて一気に対戦車砲を叩き込むといった戦法が必要です。
このあたりはFPSや実戦と同じ戦い方で、敵に接近して剣で攻撃するファンタジーシミュレーションとは違った緊迫感が味わえます。
とはいえ、物陰に隠れてばかりでは敵の攻撃が当たらない代わりに、こちらからも有効な一撃を加えることができません。そこで重要になるのが「カバー」というシステムです。
カバーには移動、迎撃、援護の3つがあり、カバー状態にあると移動や攻撃といった通常の行動が取れませんが、"敵が射程範囲に移動してきたら迎撃する"、"味方が攻撃したらそれに呼応して同じ敵を攻撃する"、"味方/敵が行動したら移動する"といった行動が可能で、複数のユニットでこれらを組み合わせることもできます。
たとえば狙撃兵に迎撃のカバーを取らせ、重機関銃を持った味方に援護射撃のカバーを行わせれば、敵が射程内に入ってくるとまず狙撃兵が発砲し、それに重機関銃で追い打ちをかけられますし、重機関銃を持った兵士を並べて迎撃体制を取らせれば、強力な火線を敷くことができます。
また狙撃銃は射程が長いので、射程の短い武器を持った敵が接近してくるところをアウトレンジから一方的に倒していくこともできます。
主人公たちが少数精鋭の特殊部隊で敵地深くに潜り込むという任務の性質上、どのステージでも味方よりも敵の数が多いので、うかつに接近するのではなくカバーを活用して敵が近づいてくるのをてぐすね引いて待つことが勝利への近道となります。
またリアルなウォーシミュレーションは射程と火力が高くなるため緻密な戦術なしには勝てませんが、カバーシステムによってゲームがシンプルになり、かつ根っからのシミュレーションゲーマー以外も比較的手軽にプレイできるようになっています。
ただカバーでも対応しきれない場合もあります。たとえば戦車が出てきた場合で、狙撃中や機関銃程度ではいくら発砲しても有効なダメージを与えることができず、対戦車砲でないと潰せませんし、ゲームが進むにつれて登場するモンスターたちは体力があり余っていて、銃火器だけでは倒しきれません。またオペレーション・ダークネスでは弾数の概念があり、弾切れになってはもちろん迎撃できません。
そこで重要になってくるのが「特種攻撃」(キャラクターの特殊能力)です。
主人公はイギリス陸軍の特殊部隊SASに所属していますが、その中でもさらに特殊な任務を行うK中隊に配属されています。そのメンバーは狼男であったり、魔法を操れたりと一般の人間にはない能力を持っています。
この能力は使用回数に限りがあるものの強力で、一般の兵士ならばまとめて倒せるほどの威力があり、戦車やモンスターですら屠るほどの力を秘めています。またキャラクターが成長してより強力な能力を習得すると、威力面はもちろんグラフィック的にもかなり派手な演出の技を使えるようになります。
目の前に現れた戦車で主人公があわやというシーンで、可憐な少女が敢然と主人公をかばって轟音を上げて迫りくる戦車の前に立ちはだかり、巨大な火の玉を操って無骨な戦車を一撃で破壊するといったシチュエーションも可能です。
ゲームの中盤から後半にかけてはカバーに加えて、こうした特種攻撃の使いどころが重要になってきます。
もう1つ地味ながら重要なシステムが、倒した敵に隣接することで可能なアイテムの奪取です。銃器は弾切れになれば使えませんし、持ち運びできる回復薬の数も限られています。また武器やアイテムの中には敵から奪取する以外に入手方法のないものもあります。
そこで敵の死体から武器や弾薬、回復薬などのアイテムを回収しつつ戦い続けることになります。少しせこいかもしれませんが、ある程度敵の数を減らしたら敵の死体から回収してまわるという場面も出てくるでしょう。
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慎重な行動が要求される手応えのある難易度設定
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ゲームの難易度は何も考えずにプレイできるほどやさしくはないですが、緻密に計算しないとクリアできないほど難しくもなく、一般的なゲーマーから見れば歯ごたえ十分というレベルでしょうか。
敵の中には戦車など一撃で即死するような大ダメージを与えるユニットもいて、いくら遮蔽物の陰にいても運が悪いと攻撃を食らってしまう場合がありますが、HPが0になっても回復薬を自動的に使ってくれる「オートヒール」というスキルが用意されているので、回復薬を切らさない限りは本当の意味で即死することはありません(HPが300のキャラクターが戦車砲で1500ダメージを受けて吹っ飛ばされたのに、おもむろに立ち上がって薬で全快するというのはリアルではないかもしれませんが)。
無理をせず慎重に行動していれば、時間は多少かかるかもしれませんが必ずクリアできる難易度設定です。
残念なのは難易度を変更できないことでしょうか。シビアなバランスを好むシミュレーションゲーマーからするとやりがいがあるとはいえません。オートヒールのスキルを使わないなど、ハウスルールで難しくすることもできるでしょうが、敵ユニットの数やAIまでは変更できないので、イージーは必要ないにしてもハードやベリーハードといった難易度はあった方がよかったでしょう。
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戦闘パートのやりがいを充実させるシナリオパート
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プレイ時間の大半を費やすのは戦闘パートですが、シナリオパートで展開される人間ドラマもオペレーション・ダークネスの魅力の1つです。
シナリオパートは次の戦闘に向けて武器やアイテム、スキルの準備を行うパートでもありますが、メインとなるのは個々のキャラクターたちのドラマです。
なぜ軍隊に身を投じたのか、なぜ超自然的な力を手に入れたのかといった主人公や仲間たちの生い立ちや背景、戦いの渦中での苦悩、さらにナチスになぜ吸血鬼やゾンビが存在しているのかといった闇の真相が、杉浦善夫氏の緻密なイラストと神谷浩史氏、大塚明夫氏、井上和彦氏、真田アサミさん、沢城みゆきさんら豪華声優陣とともに明かされていきます。
杉浦善夫氏のイラストは日本のイラストレーターらしいタッチですが、いわゆる"萌え"系に走りすぎておらず幻想的な雰囲気を持っており、オペレーション・ダークネスの世界観にマッチしています。
また各キャラクターのキャストは意外なほど(といっては失礼でしょうが)豪華で、そのためだけに購入する人がいても不思議ではないほどです。
シナリオパートできっちり各キャラクターのドラマが描かれているからこそキャラクターに愛着がわき、戦闘パートのやりがいがいっそう出るというものです。
シナリオパートはXbox 360では一般的なリアルタイムレンダリング3Dによるムービーシーンではなく、画面に2Dのキャラクターイラストと台詞、キャラクターボイスが表示されるいわゆるアドベンチャーゲーム風のシステムで、原画をそのまま活かす形になっています。
アニメやマンガを見慣れた日本のゲーマーにとっては下手に3Dキャラクターでムービーが展開されるより、よほど感情移入してドラマを楽しめるのでそれ自体は問題ないのですが、数秒ほどですがボイスの読み込みにわずかながら時間がかかるため、ドラマのテンポが損なわれてしまっています。この点は先読みしてキャッシュしておくなど、工夫してもらいたいところです。
ゲーム本編のグラフィックはHDRレンダリングや法線マップ、影生成といった次世代ゲームを特徴づけるグラフィック手法は導入されておらず、テクスチャに書き込む従来の手法で次世代感はありませんが、キャラクターは原画を活かしておおむねうまく3D化されており、及第点といったところでしょうか。
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秋の夜長に最適な一本
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近現代戦を舞台にしたミリタリーシミュレーションは戦略・戦術を重視したものがほとんどですし、キャラクターにフォーカスしたシミュレーションRPGはファンタジーかSFばかりで、オペレーション・ダークネスはミリタリーシミュレーションであるのにキャラクター重視という点で、いままでに類のないシミュレーションRPGといえるでしょう。
ゲームシステムは比較的オーソドックスかつシンプルで、慎重にプレイすれば誰でもクリアできる難易度設定です。全体マップを把握しづらい、攻撃時のカメラが適切でない場合があるといった細かな不満点はあるものの、シミュレーションRPGとして安心して遊べる作りになっています。
Xbox 360は一人でじっくり長時間遊べるゲームが意外に少ないので、秋の夜長に最適なゲームといえるでしょう。
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