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Halo 現チャンピオン VEXATIONさんへのインタビュー(後編)

 「Japan FPS Championship 2014 Halo: The Master Chief Collection」や「Halo 4 Japan Championship」、Red Bull 5G 2013 FPS部門(Halo 4)」など数々の公式戦で優勝し、XNEWSにもレビューを寄稿いただいているVEXATIONさんへのインタビューを行いました。

 インタビュー後編では大会で優勝するための練習の心構えやオーストラリアのプロ級チームへの参加、プロゲーマーとプロのゲーマーの違いなどについて伺っています。

 インタビュー本編は「続きを読む」からどうぞ。

 ゲームの練習は受験勉強と同じ

 XNEWS管理人:大会が発表されてから練習は1日どれくらいするんですか?
 VEXさん:つねに1日2、3時間くらいしかしないですね。
 XNEWS管理人:普段からですか。
 VEXさん:そうです。大会前にドッとやったから上手くなるわけでもないので。
 XNEWS管理人:受験勉強と同じってことしょうか。
 VEXさん:そうです(笑)。テスト1日前に詰め込んでも点数が取れないのと同じです。
 XNEWS管理人:しかも学校の試験と違ってヤマを張れませんよね。
 VEXさん:誰が上がってくるかもわからなくて、ヤマを張ることはできないです。だから試験前の勉強と同じで、前々から準備しておきましょうと。1週間くらい前になったらマイルストーンを決める必要はあります。
 あとは直近の大会に出る人の動きを知るのは大事なので、大会に出ると言ってる人と一緒に練習すると大会当日に読みやすのもあります。

 XNEWS管理人:漫然と8時間や10時間プレイするんじゃなくて、2、3時間だけどその中で濃縮してやると。
 VEXさん:そうですね。時間ってすごく有限です。働いている方も多いでしょうが、8時間かけてだらだらやるんだったら、2、3時間ちゃんとこれをやると決めて集中してやらないとダメだなと。

 XNEWS管理人:お話を聞いているとまさに受験勉強と同じですね。
 VEXさん:受験勉強です。1日8時間やっても意味ないよと。
 XNEWS管理人:たとえば今日は数学のこの分野を勉強しようと。
 VEXさん:そういう勉強の仕方って、高校受験とか大学受験をやっていたら知っているはずです。大体の人は通る道で分かっているはずなんですが、それをゲームに活かせていないですし、そこがつながってるっていう考えがない。
 XNEWS管理人:確かにないでしょう。
 VEXさん:ゲームが上手くなるロジックと、勉強やスポーツが上手くなるロジックはほぼ一緒です。たとえば野球で甲子園へ行ける人ならゲームも上手くなれる。何か一個上手くなったことがあるんだったらやれるはずで、上手くなれたやり方を持ってきます。
 XNEWS管理人:受験やスポーツであればマニュアルもあるし、コーチもいます。ただゲームはそれがないから、自分でその道を切り開かないといけない。
 VEXさん:そうなんですよね。マニュアルがないっていうのはすごく大きいです。ただマニュアルがある分野は大体プロがいて、それでお金を稼いでいる人がいます。
 マニュアルがお金の絡みで存在していることがあるんですがゲームはそこまでのレベルに行っていない。逆に言えば上の人との距離感がすごく小さいので練習が効きやすい。
 XNEWS管理人:自分で模索するという意味では大変ですが、チャンスはチャンスですね。
 VEXさん:そうです。勇気を出して一歩踏み出して、上手い人に教えてくれとかアドバイスくれとか、そういうことを言える人は多分どんどん伸びます。上手くなりたいって言う人は結構いますけど、この人は上手くなるなとか、この人は上手くならないなとか、一度話したり、どういう練習をいつもやってるかとか性格とか、そういうの見るとこの人は上手くなる、ならないなっていうのがすぐにわかります。
 XNEWS管理人:たとえば受験の話であれば、自分は数学のここが弱いからそれをやらなきゃいけないとか、そういうのがわかってないとうまくなれない。
 VEXさん:当然なれないです。なかなかそこに気づくのには時間がかかります。

 ゲーム大会は遊びではなくスポーツ

 XNEWS管理人:ゲームが遊び、レクリエーションという意識があるから結びつかないんでしょうね。
 VEXさん:それはすごく思います。たぶんはじめは野球やサッカーも全部娯楽から始まっているんでしょうが、いまはもうスポーツとして確立して、ストイックに上手くなろうっていう道があります。でもゲームってまだ遊びの域を出ていなくて、認識が違います。遊びとして認識されていて、練習してるつもりでも遊びでやってるっていう部分が多分あります。
 XNEWS管理人:その場が楽しいとそっちに流れるとか?
 VEXさん:そうですね。そこが多分違うんじゃないかと。私はすごくゲームが好きですが、勝負事も昔からすごく好きで、負けるのがとにかく嫌いなんですよ。勉強でも部活でも、とにかく負けるのが大嫌いです。たまたまゲームが面白いと思って、そちらへ進んでます。
 XNEWS管理人:もしかしたらサッカーが好きで負けたくないとなっていたらサッカー選手になっていたかも?
 VEXさん:多分そっちに行っていました。

 XNEWS管理人:普段プレイする時もずっと考えているんですか?
 VEXさん:とにかく負けるのが嫌ですね。
 XNEWS管理人:たとえばFPS以外のゲームをプレイしていても、どう動けばいいかというのはつねに考えているんですか。それとも、これは自分の得意分野じゃないからその場で楽しめればいいと思っていますか?
 VEXさん:その時に力を入れているタイトルと力を入れていないタイトルで心持ちは違いますが、気づくと『Halo』の時と同じ様に考えてやってるというのはあります。その癖がついちゃっていて、やめられないんですよね。こうやったら上手くできるってつねに考えてしまいます。
 XNEWS管理人:普段からそういうスタンスだからこそ成功につながっているんでしょうか?
 VEXさん:そうですね。癖になるまでやらないとダメですね。

 オーストラリアのプロレベルのチームへ参加

 XNEWS管理人:話は変わりますが、オーストラリアのプロチームに過去に所属されていたとか。
 VEXさん:元プロの人が作ったチームに入ってたんです。だからプロチームではないんですけど。
 XNEWS管理人:でもそれに近い。
 VEXさん:それに近いレベルの高いチームで、オーストラリアで一番強いチームです。
 XNEWS管理人:そのきっかけは何だったんですか?
 VEXさん:ゲーマープロフィールに世界大会へ行って戦ってみたいと書いていたんですよ。そしたら向こうから声がかかってきました。いま日本で一番強いプレイヤーっていうのをオーストラリアの人も知ってくれていて、じゃあうちでやってみる?って。私は英語はあまりできないんですけど。
 XNEWS管理人:コミュニケーションはどうされてたんですか?
 VEXさん:英語でしゃべってます。『Halo』で知っている共通の単語がいっぱいあるので(笑)。
 なんとなく意思疎通できますし、やりこんでいれば何を言いたいかが分かります。プロの人から戦術を教えてもらう時でも、こういうことを多分言いたいんだろうなってなんとなくわかります。わからない部分はSkypeでつねに単語ベースでやりとりをして、それで普通にコミュニケーションできていました。

 オーストラリアのチームは考え方の次元が違う「ベストのチーム」

 XNEWS管理人:オーストラリアで一番強いチームに所属して、ここが良かったというのはありますか?
 VEXさん:元プロなんで、やっぱり技術的なところはすごく大きかったです。俺が今まで考えてやってた戦い方ってこんなに浅かったんだって、考え方の次元が違う。
 XNEWS管理人:どのあたりが特に感じましたか?
 VEXさん:戦術面ですね。当時はまだそこまで考えが至ってなかったんでが、1人死なないことの利点がすごくあります。
 XNEWS管理人:めちゃめちゃ大きいですよね。
 VEXさん:死なないのが良いとはなんとなく感覚でもわかっていて、経験上もわかってましたが上手く言語化できていなくて、その点はすごく教えてもらいました。1人死なないとつねに4人で戦えますが、1人死んじゃうと死んでる間は3人で戦うことになる。
 XNEWS管理人:25%ダウンです。
 VEXさん:そう。死ぬって分かってたら前に出て1発2発撃ってやろう、殺せないのはわかってるけど1発2発当てて死んでやろうと思って前に出ちゃうんです。でもそこで前に出ないと、こいつ弱ってるからって相手の意識を引けるじゃないですか。その時間がすごく大事です。
 XNEWS管理人:味方の3人がカバーしてくれますし。
 VEXさん:そうですね。だから味方との連携やカバーの仕方、そこはすごく学びました。
 あとはモチベーションがやっぱり違います。日本の中だと自分と同じモチベーションの人を探すのすごく大変です。でもオーストラリアにはプロのリーグ オーストラリアサイバーリーグ(ACL)っていうのがあって、自分に近しいモチベーションを持ってる人と戦えるのっていうのがすごく良かったです。
 あの時が一番いいチームに入ってたと思います。そういうチームを将来日本でも作りたいと思ってますが、いまの時点ではあのチームがベストです。

 世界との差はモチベーションの違い

 XNEWS管理人:プロとか世界大会という意味で言うと、FPSって世界との差が大きいように見えるんですが、その差は何だと思いますか?
 VEXさん:まず一つはチームと個人です。たぶん私が個人戦で世界大会へ行くと、チームで行くより良い成績を残せます。チームより個人で良い成績が残せるのは、モチベーションの違いです。
 海外ってやっぱりお金になるのでプロになるというモチベーションがある。私と同じモチベーションでプレイしてる人がわんさかいますし、その中で練習してるとより磨かれます。
 ただ日本だとそういうモチベーションを持った人がまず少ないので、やはり練習としても質が低い。チームだとそもそもモチベーションを持った人を4人集めるのが大変です。

「プロゲーマー」ではなく「プロのゲーマー」になる

 XNEWS管理人:FPSのプレイヤーとしての今後の目標は?
 VEXさん:海外の大会に行って結果を残すことですね。来年、再来年辺りに1回行ってやろうかなと思ってます。人生の目標みたいになっちゃいますが、ゲームをやっていて娯楽で終わったらただ遊んでただけだったとなるので、自分のキャリアも合わせてゲームで食えるところまで持って行きたい。
 XNEWS管理人:それはプロのプレイヤーに限らずですか?
 VEXさん:そうですね。「プロゲーマー」と「プロのゲーマー」の違いです。
 プロゲーマーになりたいんならまず海外に行けと。ただFPSで海外でプロゲーマーになって、それで一生食える分の金を稼いで日本に帰ってこれるかって言うと、日本に帰ってきたらまた別の仕事しないとダメというのがあります。
 XNEWS管理人:本当に世界で1位になって何億円とか稼げればいいんですが…。

 VEXさん:何億円とか稼いで帰って来れるんだったら行けばいいと思いますが、『Halo』の賞金はそれほど高くないですし、海外に行ってチーム組んで大会に出るっていうのはかなり敷居が高い。現実的に考えて、行けばいいじゃないかとか、プロゲーマーになりたいからとか理想は理想です。
 現実問題、今から海外でプロになって帰ってきて今後の人生過ごすのと、日本でいまゲームライターをやってるんですが、そういうところでキャリア積む一生と、どっちが自分にいいのかなと思った時に、「プロゲーマー」じゃなくて日本で「プロのゲーマー」として食っていく道を選びました。

 プロゲーマーになりたいんだったら、海外に行け。一生食えないならプロ引退後のキャリアを考える

 XNEWS管理人:最近だとe-Sportsが盛り上がってきて、プロゲーマーになりたいという方もいますが、何かアドバイスはありますか?
 VEXさん:まずはプロゲーマーになりたいんだったら、海外に行けとその一言に本当に限ります。
 結局プロゲーマーってどうやって生活していくのかっていう問題がまずあります。海外に行ってすぐプロになって食っていけるだけのスキルがあるどうかです。渡航するお金もあるし、最初に生活するお金もあるし、その辺も含めて自分に自信があるんだったら海外に行けば良いと思います。
 ゲームのプロで一生食っていく気がないんだったら、今後のキャリアも含めて考えないと、一時期俺はゲームそこそこ上手かったんだよで終わってしまいます。
 XNEWS管理人:そうですよね。たとえば優勝して賞金1000万円もらったとして、1年、2年はいいけど10年20年後に1000万円では生きていけない。
 VEXさん:海外に行って1回大会で勝って帰ってきました。一時期スポンサーもついてましたと。
 じゃあ君にいま何ができるのかを日本で聞かれた時に、「ゲームができます」では日本ではお金にはならないと思う。だからプロを目指すのは良いんですが、プラス、プロを終えた後のキャリアについて考えながら活動していかないとダメです。文章が書けますとか、実況ができますとか。YouTubeで何千万人が視聴していますとか。
 XNEWS管理人:ヒカキンさんみたいに?
 VEXさん:そうそう。トークができるとか、そういうところも含めてキャリアプランを立てていかないと、生活できなくなるよっていうところは言っておきたい。
 XNEWS管理人:今はいいけど…と。

 VEXさん:20代前半の頃はプロゲーマーだったけど、30代半ばになったら単純労働で働いているというのは嫌じゃないですか。何のためにあなたはプロゲーマーになったんですかって聞かれた時に、何て答えるんですか。
 そういう人がいると、後を追う人たちも後を追いづらい。
 XNEWS管理人:希望がなくなっちゃいますね。結局プロゲーマーで続けても、最後は正社員にもなれないみたいなことになってしまう。
 VEXさん:本当にe-Sportsが好きでやってるんだったら、後ろの子達のことも考えて、プロゲーマーになってもその後食っていけるんだよって見せてあげないとダメだし、そういう道を自分たちで作ってあげないとダメだと思っています。
 まあ私はプロゲーマーではないですが、それに近い存在としてこういう道もあるよっていうところを後の人たちに教えていかないとダメです。

 XNEWS管理人:最後に、日本でも強いチームを作りたいということでしたが、それはVEXさんにメッセージとかメールを送ればいいんですか?
 VEXさん:どんどん送ってもらって良いです。twitterでもXboxのメッセージでも、どんどん連絡してもらえれば、無視することはないので。
 教えてくれとか、そういうのもどんどん言ってください。強い人や強くなりそうな人を求めてます。いまこのインタビューで話したことに共感できる人は、上手くなれる人が多いかなと思います。
 XNEWS管理人:素質は持たれていると。
 VEXさん:そう、素質は持たれていると思うので、そういう人にぜひ連絡して欲しいと思います。
 XNEWS管理人:今日はどうもありがとうございました。

コメント

写真が全身になっとる

| あ | EMAIL | URL | 2015/04/06 02:46 AM | u8ZsqTM2 |

ゲームセンター行かないで家でヘイローやり込んだほうが金掛からなくていいよね、鉄拳7はもう過疎ってるようだし

| | EMAIL | URL | 2015/04/06 06:05 AM | 5EfociJo |

前編後編ともに、今回の特集面白かった。
またこんな企画をやってほしい。

| こんにゃく | EMAIL | URL | 2015/04/06 12:39 PM | 9kwKcHqA |

日本は独特だからね。遊びの視点を競技に変えると人気が下がって、ゲーム自体に見向きをしなくなる。遊びの概念を無理やり変えるのは難しい。そこまでストイックに「やる」という下地すらないから。しかもそれがマイナーだから、なお更見向きもしてくれないという悪循環に陥る。

| あ | EMAIL | URL | 2015/04/06 07:39 PM | YR9ITMDg |

あんま関係ないけど、xboxのオンラインは最高やね。
安心感あるわ!

| ゴリオ | EMAIL | URL | 2015/04/07 03:41 PM | VwM4LCq2 |

一時期VFが盛り上ってたとき、有名プレイヤー(大抵は本業はゲーム誌のライター)が「自分達はプロゲーマーだ」と自称したら、「プロとはなんだ、仕事を舐めてるのか」と喰いついてるのがいたなあ。

根本にはゲームだけでなく、娯楽全般や芸術さえも日本では低く見られてるのも理由かもしれないね。

| ; | EMAIL | URL | 2015/04/08 12:12 PM | 1D9mku2s |

客観的にみて、仕事は「人のタメに」が条件だからね。
私利私欲は「プロ」とは言いがたい。

| あ | EMAIL | URL | 2015/04/08 07:34 PM | Snscd.s6 |

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